#データセキュリティ

shortshort25

信用、信頼、真実。

私が財務部門に異動してからずっと一緒の、社内外から評判の高い8年目社員の森下くん。その森下くんが、交際中の恋人から刺されたという衝撃的な便りが届いたのも束の間、結婚詐欺で捕まった。二重に驚いたが、驚く暇もない管理職。土曜日の午前中に、報道対策会議で徴集された。

彼は、複数の女性と「結婚を前提に」お付き合いをしており、それを知った恋人Aが恋人BのSNSを見つけ直接コンタクトをとったことがきっかけだ。当然彼女たちの矛先は当然自分たちの恋人である森下くんになり、逆上した恋人Bによる犯行だった。
信用評価データを管理する金融系企業で勤務している恋人Aが、彼のとある行動をきっかけに不信感が募り、不正に彼のデータにアクセスした。行動データや購買データから、他の恋人がいるのを想像するのは容易かった。
彼の普段の仕事ぶりからは、そんな姿は想像できなかったし、恋人Aを「一緒に協業できそう」と仕事で紹介してもらったこともあった。

彼が財務部門に異動した当時は、信用評価が人事にアセスメントデータとして正式に採用される前のことだった。採用後、一度部下全員のデータを見たことがあるが、過去にクレジットカード支払滞納をしていた為海外の審査が通りやすいカードしか使えないことも、プライベートのことだから、と気にしないようにした。
時々のリモートワークが、「母方の祖母の家」と言って寝屋川の位置情報が現在地になっていることがあったが、あれは本当だったのだろうか。

今回を機に、今後信用評価のアセスメントデータが採用担当や管理職でより重要視されることは明らかだ。
私は、いままで実績など数値データだけでなく、プロセスや人柄なども重視して評価してきた。森下くんも、仕事ぶりはもちろんだが臨機応変な対応の速さや体力、取引先への態度など人柄も踏まえて信用し、評価してきた。

これから一体、何を信じればいいのだろうか。

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shortshort18

医療データ改竄、NFTへの大きな疑義 医療用AIへも影響

 2030年4月25日、警視庁は電磁的記録不正作出の容疑で東京都戸田啓司容疑者を逮捕した。

 近年、健康データのNFT(非代替性トークン)を用いた売買が認知されてきている。容疑者は、特定の個人の医療データが紐づけられたNFTを偽造した容疑が持たれている。
通常NFTは偽造が不可能であるとされる。しかし、NFTは単独の取引所であれば、取引所内でデータの唯一性が保証されるが、取引所を跨げば唯一性が保証されないことはあまり知られていない。

 容疑者はA取引所で流通しているデータのデータ元サーバーにデータを改竄した上で、別のB取引所で売買を行なったと考えられている。 さらに、容疑者は単純にデータの売却を行なっていただけでなく、データの売買を通じてマネーロンダリングを行っていた事が発覚した。そのため、警察は容疑者の背後に国際的なシンジケートが関与していたものとして捜査をしている。

 この事件はNFTそのものの信頼を傷つけると考えられるが、余波はそれにとどまらないと予測される。
偽造されたデータによって学習された医療用AIが存在し、AIの学習が汚染されてしまっている可能性が指摘されている。これによって広く利用されていた医療用AIについても利用に疑義が出る状態となっている。今後、医療全体でのデータの利活用をめぐる議論が巻き起こることは避けられない見通しだ。

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